社長のご要望全部聞いてたらメチャクチャでチグハグ・理解不能な異形の怪物、爆誕!

デザインだけを気にして失敗するパターンの根が深いケースがこれです。これも多い。

本当にあったホームページ失敗談

「これ何の広告だと思います?」「楽しそうですね遊園地ですか?」「いえお墓です」 ⇒ 「んんんんんん????」

「新聞の折込チラシを作っているんだが、デザイナーがひどすぎて困っている相談にのってくれないか」と社長さんから見せられたのは、かわいいイラストで遊園地の施設を紹介しているような大きなチラシ風のプリントでした。

<イメージ:よくある遊園地の施設紹介イラストのようなモノを見せられる>

出典:https://feature.cozre.jp/40416

家族が仲良くバーベキューをしたり、子供がバギーに乗って遊んでいるイラスト。

「遊園地かキャンプ場のチラシですか?楽しそうですね。」

「いや…、実は来年オープン予定の”散骨霊園”の新聞広告なんだよ…。」

「!!!???」

どう見ても遊園地の広告なのに、社長は墓の広告だと言うのでゲシュタルト崩壊を起こしそうでした。

ぱっと見では遊園地の広告にしか見えません。じっくり見てもお墓の維持費や導入費などの価格や永代供養やらのオプションなどの説明は一切ありません。墓の広告なのにレジャーや遊べる事しか訴求していないのです。

霊園の見込み客である、

  • 「終活を考えてお墓を検討しているおじいさん」
  • 「高齢の父母のためにお墓を検討しているお子さん」

などが、競合のお墓や散骨施設と比較検討して、高いのか安いのか?どんな面が優れているのか?遺族の墓参りの際のメリット・デメリット、口コミ・第三者評価などなどを判断できる情報が1つもありませんでした。ただ楽しそうなイメージだけで埋め尽くされている、よくわからない広告だったんです。

「なぜ散骨施設だと訴求しない?価格は?他の霊園だとかお墓と比較した場合、コスパが良いのか悪いのか全く判断できない。そもそもどんなアクションを見込み客に望んでいるのか?」

お爺さん@終活中

いやー、おたくのチラシ楽しそうでいいね! このHPが何を売っているのかも、値段もわかんが、このチラシ気に入った! ワシと婆さんのぶん注文しますわ!

こんな反応する人間は存在しません…。

社長の隠れた意図としては、散骨施設だけでなく墓参りに来る遺族も楽しめるレジャー施設だということを訴求したかったようでした。

そもそも自分の親族が埋葬されている霊園で、バーベキュー、花見、温泉、宿泊、バギーカーで遊んだりと、レジャーを楽しみたいでしょうか? 気持ち悪いし、幽霊でも出てきたら恐ろしいし、罰当たりだよな、というのが正常な反応でしょう。訴求したい内容が正しいのかを疑う必要がありました。

自分ファーストではなく顧客ファースト

土建屋がメインの業務で宣伝も広告も作ったことがないという、ボクシングの山根”終身”会長のようなパワフルな社長さん。

パワフルな方だったので、この新聞広告を作らされたデザイナーは社長のパワフルさに押されて要望をそのまま受け入れ形にしてしまいました。その結果、トンチンカンなモノが出来上がったようです。

「デザインがとにかく悪い…」と社長は嘆いていましたが、デザインの問題ではありません。ビジネスモデルの根本から全てを企画しなおす必要がありました。

SHIN

デザインは戦術です。大きな戦略があるから小さな戦術が決まります。なんの戦略もないのに戦術で挽回しようとしたり、戦術を丸投げして他人になんとかさせようとしても上手くいくはずがありません。

こうやって立て直しました

その後、私が参加し社長のお話しや要望は伺いつつ、下記のようなことをしました。

  • 誰に何を売りたいのか?
  • 何件売りたいのか?
  • その件数売るためにHPでどれだけのアクセスが必要か?
  • そのアクセス数を稼ぐためにどんな戦術が必要か?
  • そもそも誰が買ってくれそうか?
  • 何種類の見込み顧客がいるか?
  • その見込み客はどんな悩みを持っているか?
  • この施設がどう悩みを解決するか?
  • なんと伝えると見込み客は前のめりになるか?
  • 新聞広告やホームページで、どんなアクションを見込み顧客に期待しており、その後どうやって成約までもっていくのか?

を一つ一つ明確にし、社長の要望を解体・再構築して企画・原稿を作成するということをしました。

霊園をレジャー施設にしたいというようなそもそも無理な話はスティーブ・ジョブスのような天才でも難しいので、凡人である私は華麗にスルーしつつ、見込み客の課題を解決するという現実的な目線でまとめ上げました。

普通のDTPデザイナーやWEBデザイナーレベルで暴走する要件をまとめられるかというと無理な話です。あなたはWEB制作会社に根拠の無い期待をするのはやめてください。私みたいな仕事はできません。

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