100万円かけてホームページのデザインにこりまくった結果。すごいことに!!

ホームページを作っても上手に使わないと集客効果はゼロ。高いお金を払って大変な思いをして作ったのに全てが無駄になってしまうということがとても多いんです。

国の統計によると9割の企業がホームページを作ってもたいした集客効果がなかったと答えています。ほとんどの企業がホームページを使った集客に失敗しているのです。

アナタも同じ失敗をしてしまわないために、「デザインにこだわりぬいたホームページを作った結果、集客効果が◯◯だった」話をお伝えします。

おしゃれホームページまとめサイトに掲載されるほどのキレイなデザイン

可愛いデザイン

うちのホームページは、すごく可愛いデザインなんです!

うれしそうに語るのは子育てアドバイザーとして起業したMさん。有名なホームページ制作会社にキレイで可愛いデザインのサイトを作ってもらいました。

フォトスタジオを貸し切ってMさんのプロフィール写真や、子供やお母さん役のモデルを呼んでの写真撮影。雑誌の表紙に使ってもおかしくないくらいキレイな写真が撮れました。

プロのイラストレーターに描いてもらったイラストは、そのまま絵本に使えそう。手書き風で可愛くて暖かみのあるイラスト。

Mさんのホームページには、モデル風にポーズをきめた素敵なMさんの写真が大きく使われ、細かなパーツは手書き風のイラストで装飾されています。

車に乗ったママと子供のイラストがアニメーションする面白い仕掛けもありました。

小さなパーツからサイト全体までオシャレで可愛いデザイン。小さな子どもを持った子育て世代のママさんたちが好みそうな本当に良いデザインです。

実際、WEBデザイナーのためのオシャレなHPデザインのまとめサイトに「オシャレデザイン事例」として掲載されました。

デザインはすごく良かった。デザインだけは…。


デザインがいいから、アクセスも多い…?

アクセスが多い

うちのホームページはアクセスもとても多いんです!

確かにアクセス数は多かったです。どんな検索キーワードが多いのか?twitterなどのSNSでどういった言及がされているかを確認したかったのでアクセス解析を見てみました。

アクセス解析(ホームページは、テレビCMやラジオCMなどと違い、どこからどんな風に見ているかなど読者の情報がわかります)を見ると、ほとんどデザインまとめサイトからのアクセスでした。

つまり、ホームページを見てくれるのはWEBデザイナーばかりだったのです。

問い合わせありますか?

HP経由での、お仕事の依頼だとかセミナー応募なんかの反響ってどうですか?

実は、仕事には全然つながっていなくて…。

HP経由のお仕事依頼やセミナー応募はゼロとのこと。こんなに素敵なホームページがあるのに、なぜ反響がないのでしょうか?

アクセスは多いのに、ビジネスにつながらないケースはたくさんあります

  • バイト求人サイトで「メイド喫茶」についてのアクセスが多く、とはいえオタク男子などが読んでいるので、応募して欲しい可愛い女の子は読まず、求人応募にはつながらなかった
  • 社内のエンジニアが書いた技術者向けのブログですごいアクセスだったが、HP制作会社でHPリニューアルしたい企業の社長さんやHP担当者には読まれず、仕事には全くつながらなかった
  • ネットで反響を得ようと面白記事を作成。話題になって夕方のニュースにまで出演したが、お客さんは全く増えなかった物流系の企業

こういった事は無数にあります。アクセスが多くても、見込み客を集めないと意味がないのがホームページ集客の難しいところです。

見込み客と無関係なアクセスが多くてもお金にはなりません。


何のサービスを提供しているのかよくわからない…

提供しているサービス内容や料金ってどこに書いてあるんですか?

Mさんは、子育てセミナーのようなものを定期的に開催しているようなのですが、「X月X日に◯◯◯セミナー開催、お申し込みはこちら」というような表記が、どこにもありません。

意気込みだとか思いはたくさん書いてあるんですが、そもそもMさんが子育てアドバイザーとして、どんなサービスを何円で提供しているか書いていないんです。「サービス」や「料金」といったページも当然もありません。

何ですかこれ?(値段だけが書かれた謎のカード)

どうも子育ての悩みを解決できるようなトランプのようなモノがあって値段だけは書いてあるんですが、それが誰のどんな悩みを解決するのか、どう使うのかが全く書いていないんです。

「これは何ですか?」と伺うと、熱心に説明してくれます。(その熱い思いをなんでHPには書かないのか…。)

HPデザインは業者に適当に指示すれば完成するので簡単。しかし、肝心のビジネスをどうするかは重すぎてなかなか考えがまとまりません。だから、HPデザインが派手なだけで中身の無いHPが完成します。

実際、着手金まで支払ってもらってHP制作がスタートしても、どんなサービスを提供しているのか? 何円で提供しているのか? 他社との違いは? など詳しく話を伺おうとすると、お客様によっては古い低スペックPCのように長いローディング状態に入ってそのままフリーズしたり、なぜか音信不通になったりします。考える事が重すぎて、夏休みの宿題を嫌がる小学生のように逃げてしまうんでしょうね。

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オシャレを優先し、SEO対策は手抜き…

ん?ちょっとまってください、これ文字じゃなくて全部画像ですね。

本当は文字として作りGoogleのロボットに読ませてSEOで上位表示させられるように作るべき所が、オシャレを優先して画像にしてしまっていました。

文字を画像で作るとキレイなフォントを使えるので素敵なデザインが作りやすいんです。

あ、altも入ってないですね。

Googleのロボットに画像の内容を伝える設定がしてありませんでした。


どんな読者が多いのか想定していない…

あれ?これ、スマホ対応してないんですか?

一人一台スマホを持つ時代。HPへのアクセスはほとんどスマホ。だいたいのサイトでスマホでの閲覧が7割、PCの閲覧はわずか3割です。PCでの見栄えしか考えていなくてスマホで見るとPCのデザインが出てきて文字も小さくて読めないんです。

予算的にスマホ版までは手が回らなかったのか、HP屋さんとしてはキレイなデザインを自分の好きなように作らせてくれるなら例えば見込み客に見られなかったとしてもどうでも良く。ちゃんと説明しなかったんでしょうね。


起業するためにコツコツ貯金した100万円を、キレイなデザインのホームページに使った結果…?

「ちなみに、制作費はどれくらいの金額だったんですか?」と恐る恐る伺ってみました。

100万円ほど…。

費用対効果は、100万円の広告費をかけて1人も顧客を獲得できなかったということか…。

合掌、南無阿弥陀仏…。


なぜこんな事になったのか?

理由はたくさんあります。

  • 起業家は他人に命令されたり雇われ仕事が嫌で起業した、だから他人からの忠告を聞けず大失敗してしまう
  • お客様は神様、意見してはいけないという謎の風習
  • そもそもビジネスモデルがあやふや
  • 誰に何を売るのかが決まっていない
  • 営業方法やクロージング、提供サービスなど考えていなかった
  • 発注するときに、HP屋さんに「何のために何を」作ってくれと明確に説明できなかった
  • デザインナーはオシャレなデザインを好きに作りたい「私の夢は広告賞をとること…」広告賞を取れても集客や金を生み出すHPは作れない
  • 見た目がいいのに騙されて、WEBデザイナーを信用してしまった結果マスターペーションのようなHPが完成した
  • WEBデザイナーがWEBデザイナー向けに作ったので、WEBデザイナーからの反響はあった
  • しかし見込み客である子育て世代のママさんたちからの反響は無かったために集客効果はゼロだった

ビジネスモデルや営業方法、見込み客の想定や、見込み客と接触からのクロージングまでの流れなど全く考えていなかった

HP屋さんに、そのあたりも考えてもらおうという甘えがあったのでしょうか?HP屋が、そんな大切な事をあなたの代わりに考えるわけがありません。


HP屋も発注者も集客のことを忘れてデザインだけしか考えられなくなる

最初の打ち合わせで、「キレイなデザインのHPが欲しい」「AppleみたいなデザインのHPにしたい」と安易に話してしまうと失敗に繋がります。

HP屋さん「わかりました!お任せください!」と、プロジェクトの目的は「見込み客を集客する!」ではなく『お客さまが気にいるデザインのHPを作ること!』に設定されてしまいます。

発注者(お客さま)は見込み客ではありません。見込み客が好むデザインにした所で集客力があがるわけでもありません。かくして、斜め上にプロジェクトが進み、壮大に爆死するのです。

私は意図的にデザインの話はしないようにしています。「いやいやいや、デザインとかはどうでもよくてビジネスの目的、例えばHPで月に何人見込み客が欲しいですか?」『10人くらいかしら?』「じゃあ、HPを読んでくれる人を前のめりにするには何が必要でしょうか?」的な。最初の質問では方向性を間違わないようにしますね。


HP屋も、おだてて自分の作りたいHPを作ってしまったマスターペーション

HP屋さんの潜在的な願望は「私も広告賞を取れるようなデザインを作りたい」と言うものです。

また、見込み客ではなく発注者であるアナタに気に入ってもらいたいので、あなたの趣味趣向を取り入れます。

しかし、悲しい事にアナタは見込み客ではありません。アナタのために作られたホームページは見込み客のためには作られていないので見込み客にはどうでもいいデザインにだけこだわっていたり、見込み客が本当に知りたい情報が書いていなかったりします。


派手なデザインに気を取られて、何のためにホームページを作っていたかを皆忘れてしまう

少し古いTV番組ですが「劇的ビフォーアフター」の失敗で裁判沙汰になったなんてのもありました。

匠「おれのカッコイイデザインをTVに出して話題になってやるぜぇぇ!!」
客「ひゃーTVに出られて素敵なお家も作ってもらえるぅぅぅ」

とうかれて、派手で奇抜なだけで全く住むことを考えていないような家ができあがり、

客「ちょ、なにこれ!全面ガラス張り?風呂もトイレも覗き放題!?」

かっこいいですが住めないわけでTV放映後、家は無人になったり、売りに出されたり、ひどいケースでは訴訟にまで発展ということもあったそうです。

同じように、おだてられてまいあがってしまう事がHPの業界にもあるようです。9割の企業が失敗する一因なのかもしれません。

おだてなかったとしても、不思議な事にHPを作るとなると皆さんデザインの事しか頭の中に無くなってしまいます。

見込み客のことを考えて、どうしたら集客できるのかや、成功している競合サイトはどんなことをしているのかを冷静に考えてみましょう。

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見込み客が本当に望んでいる事

見込み客は可愛いデザインだから仕事を依頼してくれるわけではありません。見込み客の悩みを解決してくれるのかどうか、そのサービズがコスパが良いかどうかを判断します。

判断材料がちゃんとHPに掲載してあることが重要です。デザインがキレイなHPなんて「キレイなデザインねぇ」としか思ってくれません。集客効果なんてありません。

デザインがどれだけ良くても、中身が空っぽだったり、見込み客が知りたいことが書いていなければ意味がありません。重要なのはデザインではなく文章なんです。

さらに、見込み客は比較検討しています。アナタのHPを見るとき同じようなキーワードで競合のA社やB社やC社も検討しているんです。

つまり、HPの情報やセールストークで競合であるA社B社C社に勝たないと選ばれません。デザインなんかより、文章のほうが重要だということです。

冷静に考えればそんなことはすぐにわかることですが、HPを作っていると、そういった想像力がなくなってしまいます。

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失敗したくないなら…、成功するためのたったひとつの方法

この子育てアドバイザーの方のように、どんなビジネスを提供するかはっきり決まっていない場合は、自分でちょっとづつHPを作っていくというのが良いでしょう。

専門知識がなくてもFacebookに投稿したり、ブログを書くようなイメージで簡単にHPを作れるツールがたくさんあるんです。

自分で作るなら無料だし、セールストークだって自由に考えたりテストすることもできます。

さらに自分で作る場合は、簡単にHPの内容を改善していけるので、どんどん中身を良くしていくことが可能。

まずは、自分で中身をしっかり作って、それをベースにHP屋さんにキレイなサイトに作ってもらえばいいんです。

ビジネスモデルもたいして考えていないのに、勢いでデザインだけで中身の無いサイトを100万円もかけてつくったってバカなだけですよね?

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