はじめてホームページを作る、何に気をつけたらいい?
安く、かっこよく、自慢できるような、私のイメージどおりのホームページを作ってくれ!
HPを持つ事はゴールではなく、営業活動のスタート。企業HPの9割は集客に失敗しており、何のためにHPを作るかよく考えないと、集客できない粗大ゴミHPを持つことになります。
あなたの「はじめてのホームページ制作」を応援するために、はじめてのホームページ制作が失敗する原因と、その回避策をお伝えし。
中小企業や個人事業主で「ホームページが欲しい」「ホームページはあるけれど上手く活用できていない‥」という方向けに、ホームページを活用してビジネスにつなげるにはどうしたらよいかという方法をご説明いたします。
【結論】はじめてのホームページ制作は失敗しやすい、自分のためではなく見込み客のためにホームページを作ろう
HPは失敗しやすいんです。起業して「俺も一国一城の主だ!」と、ウキウキでHPを作り、それが起業人生の頂点で、そのまま廃業する方もいます。よく考えて作る必要があります。
事実、中小企業白書の統計では、企業HPの9割が集客に失敗している
ホームページを持っている小規模事業者の96.2%が残念な結果…。
- 中小企業白書のデータをご紹介:総務省がまとめた2014年版中小企業白書「小規模事業者へのホームページ活用状況」をご紹介。
- 3.7%しか「販売客数が大幅に増加した」と回答しなかった:ホームページを持っている小規模事業者(製造業では20人以下、サービス・小売業では5人以下の規模)のうち3.7%しか「販売客数が大幅に増加した」と回答していません。
- トホホ…、96.2%が残念な結果に…:「変わらない」「やや減少した」「大幅に減少した」の合計割合は62.1%。「やや増加した」という微妙な回答も含めると96.2%もの企業が残念な結果に。
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原因は 「HP制作」と「HP運用」の2つで大きく失敗しているから
HPを作る事は、広大な大西洋の真ん中の小さな無人島に、新しいお店を作るような物。人間がいないのでお客さんは来てくれません。ブログを書いたり、SNSに投稿したり、広告を出したりと、宣伝活動をがんばらないと何の反響もないまま。
- ホームページ制作の失敗「無人島のお店、外観にこだわっても無意味」:顧客不在のHP制作。見込み客ではなく、自分のためにHP作る。多くはデザインだけを気にし、セールストークを考えたり、どんな見込み客が何の情報を知りたがっているか、何を掲載したらアクションしてくれるかを考えない。
- ホームページ運用の失敗「無人島に人を呼ぶ宣伝活動をしないから成果が出ない」:「運用?何それうまいの?」と運用については一切考えない。何をしたらいいのかわからないし、実際に何の施策もされずに放置される。ダイエット成功には辛い食事制限や面倒な運動が不可欠、受験成功には日々の勉強が不可欠、同じくHP集客でも日々の運用が不可欠だが、そういった考えには至らず、何の反響もなく放置される。
はじめてのホームページ制作でのよくある失敗ケース
HP制作の失敗ケース
HPデザインに執着せず、見込み客や自社サービスを伝える言葉に集中しましょう。
「ライザ◯プに30万円払えば辛い食事制限や面倒な運動をせずに自動的に10キロやせられるのか?」「有名予備校に通いさえすれば、苦しい勉強をせずとも100%東大に合格できるのか?」「高額セミナーに通い教祖からスピリチュアルパワーを貰えば願望を実現できるのか?」といえば人生そんなに甘くありません。
同じように、かっこいいデザインのHPを作りさえすれば、自動的に集客できるかと言えば、「んなこーたーない」訳です。
ここでは、HPを制作する際によくある4パターンの失敗ケースをお話します。
- 制作の失敗1.HPデザインで見込み客を騙そうとしてしまう(安易に)
- 制作の失敗2.HPデザインで社長が自己表現してしまう
- 制作の失敗3.HP制作業者に丸投げで失敗
- 制作の失敗4.HP制作業者に、デザインが派手なだけで中身からっぽのHPを売りつけられてしまう
制作の失敗1.HPデザインで見込み客を騙そうとしてしまう(安易に)
自社サービスや商品に自信がないからこそ、安易に作れるHPデザインで顧客を騙そうとしてしまいます。
HPを作りたい社長に蔓延する「AppleみたいなHPを作れ病」
HPデザインを立派にすれば、顧客はワシや会社の事を立派だと錯覚してくれるかもしれん…。そう、AppleのHPデザインをパクれば全ての願いが叶う!
iPhoneやMacが日本でも大人気、GAFAの一角Apple。「AppleみたいなHPを作れ!」というご要望が本当に多いです。AppleのHPデザインをパクったら、謎の力で商品が急に売れ出すなんて事があるからでしょうか? ターゲットとする見込み客がAppleと全く違うのに…。
日本の時価総額BEST10に入るような巨大企業の社長「AppleみたいなHPデザインにせんか!」
巨大企業の社長も、AppleみたいなHPデザインにせんか! と無理目の指示を出すんです。
- 巨大企業の社長「AppleみたいなHPデザインにせんか!」:私が関西の巨大企業にWEBディレクターとして出向していた頃の話。日本の時価総額BEST10に入るような巨大企業の社長が突然「AppleみたいなHPデザインにせんか!」と言い出しました。
- 下々の社員「殿、ご乱心!!」とおろおろ:「我社のお客様はファミリー層ですし、Appleのような先進性やおしゃれ感をHPで出すのはいかがかと…」と皆おろおろ。家族に人気のほんわかほのぼのしたタレントやキャラクターがこの企業のCMに起用されています。全く合わないんです。
- 静まれ、静まりたまえ! 殿のご乱心を鎮めるために大々的な儀式が行われた:雲の上の皇帝陛下(殿上人)に直接意見できる者はおらず、数百人のユーザーにアンケートをとり「どんなデザインが好みなのか」を大調査。東京の大きな会社のコンサルタントに結果を詳細に分析させ、大会議室にて何十人もの人員が参加し、大々的な報告会を実施。「あまりオススメできません」という結論をもっともらしく演出し、なんとか思いとどまらせました。
この企業のサイトは1万ページほどのマンモスサイト。リニューアルするとなると膨大な金額に。リニューアル費用と、Appleのデザインをパクる事によって得られる集客効果を考えるとコスパが悪すぎ、費用対効果を考えるならAppleのHPデザインをパクらなくて正解でした。
緊急でAppleみたいなHPを作りたがった起業家
AppleみたいなHPが欲しくなる事に理由なんてない、かっこいいからパクりたいんだ!
- アクセスが増えそうだから貧相なHPを、特急でAppleみたいなデザインにしたい:「近いうちにメディアに僕の商品が掲載される。HPは一応持っているが貧相。アクセスも増えるだろうからHPを立派にしたい。短時間でAppleのHPみたいに!」そんなご要望を起業家さんから伺いました。
- なぜAppleのデザインをパクリたいのかヒアリングすると機嫌を悪くしてしまう:しかし、「なぜAppleみたいなHPデザインを安易にパクりたいのか?」「パクる事によってどんな効果を期待しているのか?」を聞いていたら、怒って帰ってしまいました。
- 10万円くらいの費用感でAppleのデザインを特急でパクって欲しいという雰囲気で、そもそも無理だった:見積は費用感の10倍くらいになりそうで、短期間でHPを全面リニューアルすることが無理。さらにAppleのようなクオリティの高い写真素材の準備やアニメーション設定などもろもろ考えると金額的にも不可能。ついでに論理的に思考するのではなく、初期衝動で動くタイプは短期間で企画を納得できず「こんなん僕の望むAppleじゃない!」と、プロジェクトが破綻するのも火を見るより明らか。
- 私がオススメしたHP自作ツールを利用した:結局、私がオススメした自分でHPを簡単につくれるツールを使って急遽自作されました。
この方はもともとシステムエンジニアだったので、冷静に考えればかなり無理な要望だとわかったと思うんですが、テンションが上がると冷静な判断ができなくなるんでしょうね。
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まとめ「HPデザインで見込み客を騙そうとしてしまう(安易に)」
- ターゲットとする見込み客がAppleと全く違うのにHPデザインをパクる無意味さ:この2つのケースに共通することは、無理にAppleのデザインをパクったとしても、集客には一切寄与しなかっであろうことです。
- HPデザインは勝敗を決する要素ですらない、重要な事に目を向けよう:自分の商品やサービスに自信が無いことが根本的な原因。セールストークや提案方法、サービス品質を向上させるなど、本来向き合うべきことから逃げてHPデザインだけで安易に顧客を騙そうとしてしまう。「HPデザインを立派にすれば、顧客はワシや会社の事を立派だと錯覚してくれるかもしれん…。」
- ライザ◯プに行きさえすれば自動的に10キロ痩せられる、有名予備校にさえ通えば勉強不要で東大合格確実!
AppleのHPデザインをパクれば行列ができる? んなこたーない:しかし、冷静に考えてみればAppleのHPデザインをパクった所で、不思議な力で行列が出来たり、売り切れが続出なんてことはありえません。外面だけのデザインに執着せず戦略的に物事を考えましょう。AppleみたいなHPを作れ病は企業規模に関わらずよくあるケースなのでご注意を。
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制作の失敗2.HPデザインで社長が自己表現してしまう
はじめてHPを作るとなるとテンションが上がり、自分の偉大さをHPデザインで表現するような、顧客不在で自分本位のヤラカシも。地方のテレビCMで「私が社長です!」的な観ているこっちが恥ずかしくなる、内輪向けでナルシズムの塊のようなアレです。
Uber社のロゴ・アイコンリニューアルプロジェクトは大失敗?
ヘアスタイルが90年代みたいな人っているよね。僕はUberの見た目がそんな人みたいだと感じていたんだ。ダサいUberが僕と釣り合うためには、もっとイケてるデザインにしないとね。
- ロゴ・アイコンのリニューアルプロジェクトを、デザイン経験0の社長がノリノリで主導:”このリブランディングプロジェクトは一つの自己表現の場だったのかもしれない。そして、まわりのスタッフには’デザインのことはよくわかんないけど、重要なのは知っている。だから良いものを作りたい’と語った”
- 社長の曖昧なイメージを具現化するためにデザイナーが消耗:顧客はどうしたらUberを認識しやすいか、もっと使う機会を増やすためのあるべきロゴデザインとは?ではなく社長一人のために作ってしまった。”社長は夢中になっていました。自分自身の中にあるとても ’ユニークな’ デザインの好みを具現化する為に。でも周りは困惑していたんです。例えば、’とても鮮やかなパステルカラー’ などと言うものだから、本人に直接 ’もうあなたの好みを理解することは諦めました’ と伝えました。” 見込み客やユーザーではなく「社長一人の好みを具現化する」、プロジェクトは最初からゴールを間違えていました。
- なんとか完成にこぎつけるも公開翌日にデザイン主任が辞職:リリースした翌日にデザイン主任が辞職。デザイン主任「オナニーはママに隠れてするもんだ! 社員に見せつけるんじゃねー、マ◯ファッカー!!」
- Uアイコンが消えた? ユーザーからはメロンのようなアイコンが意味不明だと大不評:ユーザーからは大不評、オシャレにしすぎてアプリマークの「U」アイコンが「逆C」(視力検査のあれみたいな)になってしまい、「F◯CK! UberアプリはオレのiPhoneから消えちまったのか? どこにUアイコンがあるんだ?」とUberアプリをユーザーが見つけられなくなったんだとか。
- 社長が辞任した後、秒速でロゴとアイコンはシンプルでわかりやすいデザインに修正された:社長は他にも問題を起こし辞任することに。新社長が真っ先に取り組んだプロジェクトはこの意味不明なロゴをシンプルでわかりやすい物へ修正することでした。前社長が執着したリブランディングプロジェクトはたったの2年で無に帰したのです。
日本ではUber Eatsが人気で、アメリカでは配車アプリとして革命を起こした天下のUberがこんなやらかしをしてしまったんです。顧客不在で、社長のためだけに作られたロゴ。デザインで社長がマスターペーションしてしまう典型的な事例。いわんや中小企業や個人事業主の間では日常的にこんなやらかしが行われています。
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デザインの歴史的に見ても大きなやらかし。関連記事も日本語・英語ともにたくさんあります。
チラシを作ったはずなのに、なぜかオジサン社長を主人公にした絵本が完成!?
チラシではなく、なぜかオジサン社長を主人公にした絵本が完成。
- マンション清掃会社のチラシ作成プロジェクト、完成したのは絵本でした:マンション清掃業を営む社長さん。チラシを作ろうとしたら思わずデザインに凝りたくなり東京の有名なデザイナーに依頼、金額は100万円近くに!! 完成したのは社長を主人公にした絵本風だった(なんで?)。髪の薄くなったくたびれたおじさんが、かわいいキャラクターに!?
- おしゃれのためにサービス情報は全カット:でも、マンション清掃のサービス内容や料金、他社との違い、お客様の声などの情報は、一切記載なし(なんで?)。
- おしゃれなカフェのフライヤー置き場から貰ってくれる人が!:社長はウキウキでおしゃれなカフェに絵本を置いてもらい(なんで?)、「絵が可愛いから時々貰ってもらえるんだよ」と嬉しそう。
- 不都合な真実、良く考えてみると一切営業活動に寄与していない…:しかし、冷静に考えてみれば見込み客はマンション管理会社や大家さん。見込み客のリード獲得(電話番号やメールアドレス取得)を目的にしていたのに。おしゃれなカフェに来店するハイソな人妻や若い女子と、営業ツールを配布すべきターゲットとは大幅に乖離。
- 100万円かけた営業ツール、貰ってくれる人がいるなら成果にならなくてもいいじゃないの!:せっかく100万円かけて作った絵本は営業ツールとして成果を出す事はありませんでした。
HPや広告制作はテンションが上がって、普段しないような謎な行動を思わず取ってしまうのかも。ナルシズムを擽られて斜め上に暴走する方も…。KFCのカーネル・サンダースやアパホテルの社長のように、集客するために自分をアイコン化して使うなら理解もできますが、このケースは自己満足のマスターペーション以外の何者でもありません…。
お墓の広告がなぜか遊園地の広告に!? 社長のおもちゃにされた広告
社長がウキウキワクワク思いつくままに、デザイナーへ指示を出すうちに、デザインは二転三転四転五転…………………百転ほどした結果、お墓の広告を作っていたはずが、遊園地かチンドン屋のような広告が爆誕!?
- 社長が異様な広告を作っている、とにかく来てくれ:知り合いの営業さんが「社長が、なんとも説明できない異様な広告を作っていて、山本さんとにかく一度見に来てくれないか…。」と言われ、出向いたら狂気の広告を見ることに。
- なん…だと…? 遊園地のチラシにしか見えないのに、墓のチラシ?:ぱっと見は遊園地のチラシ。しかし「来年オープン予定のお墓の広告」だそう。「正気か!?」とひっくり返るほど驚きました。
- おしゃれのためにサービス情報は全カット:お墓の価格やオプション、説明会などの情報はなし。(Appleのマネなんでしょうね)
- デザインを作る事が目的になっており、営業戦略が皆無:墓を売るために、どんな人がターゲットになりそうで、何を訴求したら興味を持ち、興味を持ったら次にどんなアクションを起こしてほしくて、それを実現するにはどんな戦略が必要かを考えておらず。「デザイン!デザイン!デザイン!」と言っていた結果、異様な広告が完成したそうです。
Uberのケースと根は同じ。はじめて広告を作ったので、テンションが上がってしまい斜め上に行ってしまったご様子。その後、霊園はなんとかオープンしたようですが、すぐ潰れてしまったらしいです。
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まとめ「HPデザインで社長が自己表現してしまう」
HPは、あなたが主役である結婚式や注文住宅とは違います。顧客中心主義で作りましょう!
HPデザインも広告もロゴも自己表現するツールではないのでご注意を。結婚式や注文住宅でしたらあなたのために好きなように作るべきです。しかしHPは、あなたの自己満足のために作るのではなく顧客のために作ります。
HPはパワーポイントで作る営業資料や、好きなあの子を振り向かせるためのラブレターのようなもの。見込み客を前のめりにするための営業ツールです。
制作の失敗3.HP制作業者に丸投げで失敗
HPの事は良くわからないからお任せで、と思考停止して成果が出ない事も。
プロのHP業者に作らせ、2年間で60万円も払ったのに1件も問い合わせがこない
プロのHP業者に作らせたHPは、2年間で60万円も払ったのに1件も問い合わせがこない
- プロのHP制作業者に2年間で60万円も支払って作らせたのに、1件も問い合わせが来ない、レアケースではなくほとんどコレ:知り合いになった整体院のオーナーさん。HP制作業者に作らせたHPは2年間で60万円もかかったのに1件も問い合わせが来ないんだとか。レアな事例ではなく、ほとんどの企業HPがこの状況。
- 「お任せで」は危険:HPは良くわからないからこそお任せで…。気持ちはよくわかりますが、プロとはいえHP制作者はビジネスの素人。ただのサラリーマンだからお任せしたら危険です。
- 業者は、PhotoshopやHTMLのプロなだけでビジネスのド素人:ビジネスの素人、営業経験もなければHPを使って実際に集客した経験は皆無。店舗内装の得意な大工さんに、カフェ運営ができるかというと無理な話です。HP制作業者にお任せするってそういうことです。
- セールストークや戦略面はビジネスを実際に運営しているあなたが考える必要がある:整体院のオーナーさんは嘆くだけで、同じ商圏のライバル達よりも何が優れているのか? 実際のお客様の声や、体の不調を改善するノウハウをブログで発信するなどは一切していませんでした。それこそ重要だし、その情報は実際にビジネスを運営している整体師さん本人にしか書けません。
- 業者を上手に使わないと、きれいなデザインで中身が空っぽのHPが完成し、粗大ゴミ化する:業者のゴールは納品すること。HPを使って集客することではありません。発注者自身も何がゴールなのか理解していないので「とりあえずきれいなデザインを作る」がゴールにすり替わり、結果的に集客できない粗大ゴミHPが残る事に。
お任せダメ絶対! 思考停止したらなおさら失敗。解決策は後半で解説します。
制作の失敗4.HP制作業者に、デザインが派手なだけで中身からっぽのHPを売りつけられてしまう
普通のHP制作会社は、マーケティングの経験なんかない。派手なデザインを提案されれば嬉しくなるけれど、彼らは見た目のデザインしか考えていないから騙されないように。
100万円かけてキレイなデザインのHPを作ったのに集客できない…
HPが営業ツールであることを忘れ、業者におだてられて、外面だけ派手で中身が空っぽな不必要に高いHPを売りつけられてしまった。
- 起業したオバサマの話:あるセミナーでたまたま隣の席になったオバサマは子育てコンサル。オバサマのHPが「おしゃれWEBデザインまとめサイト」に掲載されたと嬉しそうに話してくれた。
- デザインに100万円もかけたが、集客できない:オバサマの出来る女風の写真、絵本のようなオリジナルイラスト、電車にのった子供とママが移動するかわいいアニメーション、絵本のような素敵なHP。HPのデザインにこだわってかなりのお金をかけたそう。SNSでも話題になっているのになぜか仕事にはつながっていないと言う。
- デザインだけ派手で中身のないHP:デザインだけ派手で中身がないHP。一見するとオバサマの子育て論を語るWEBマガジン(読み物サイト)かな? と錯覚するが、読み物に特化しているわけでもない。サービス情報や料金が掲載されておらず、何が目的のHPか良く分からなかった。
- 見込み客以外に反響があっても仕事にはつながらない:SNSで話題になっているといっても子育てママではなくWEBデザイナー。「私もこんな素敵なデザインのサイトをつくりたいわ」という内容。オバサマに子育てを相談したい人には接触出来ませんでした。
- HPのトレンドがスマホに移行しSSL対応やSEOのルールも変わっているのに、数年間何の改修もされず放置:このエピソードがあってから5年ほど経過。たしかにデザインはキレイなのですがPC版のデザインがキレイなだけ。スマホ全盛時代なのにスマホ対応されず、今や必須のhttps対応もなし。自分でサイトを修正したり記事を投稿するシステムを入れていないので内容修正もされず、ずっと放置。完全に粗大ゴミ化しています。
キレイなデザインなら多少高くてもいいかと、普通は考えます。多くのHP業者は成果や集客効果については考えていません。キレイなデザインを作って問題なく納品して終わり、くらいの思考しかしないのです。むろん納品後の事なんか考えないし、WEBのトレンドが変化しても、その情報をオバサマに伝えることもなし。
粗大ゴミを掴まされないためにも、何のために作るのか、誰にどんなアクションを取って欲しいのか、そのためにはHPの戦略をどうすべきなのかをちゃんと論理的にプレゼンできる業者に依頼しましょう。
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有名人との対談で、おだてられて100万円を詐欺られた社長
おだてられてまんまと詐欺られる事も多いです。
- 「若きIT社長を取材させてくれ」と言われ舞い上がる:「御社の活動に共感しました、応援したい。つきましてはインタビューさせていただけませんか?」数年前までヒキコモリだったボンボン社長は、取材したいという話に舞い上がりインタビューの申し出を快諾。引退した野球選手と対談することに。
- いいように持ち上げられ「きんもちぇー!」状態:有名野球選手と話せて上機嫌。インタビュアー兼司会進行役の営業マンからいいように持ち上げられ昇天しそうに。
- 「100万円払えば巻頭カラー? ん? どゆこと?」:この対談は雑誌に掲載されるという。白黒ページへの掲載は50万円。100万円払えば巻頭カラーに掲載。「ん?」本来であれば怪しい空気にここで気づくはずがテンション上がって冷静に見れない社長。営業マン「社長様や若い起業家にインタビューさせてもらってます。立派な雑誌にインタビューされるくらいの人間だと箔がつき、ブランディングになりますよ。」
- テンション上がって冷静に考えられないボンボン社長「もちろん100万円で!」:自分が雑誌の巻頭カラーになれるなら100万円なんて安い物。二つ返事で100万円コースに。
- 「夏草や兵どもが夢の跡」届いたのはペラッペラの詐欺雑誌でした:ワクワクしながら待ち焦がれた雑誌は、安そうな紙に印刷された、同じく騙された100人ほどの社長の卵たちと引退した野球選手の対談集。
- 「こんな物に金使いやがってお前は馬鹿か!」会長(パパ)に叱られ泣く:「なんだこれ…?」野球選手と騙された社長達との対談だけが載った異様な雑誌。というか同人誌? 営業時にお客さんに資料と一緒に渡しても特に反応がないため営業マンは次第に持参しなくなり、会長(パパ)には顛末がバレ怒鳴り散らされ、子供のように「だって…」と泣いたのでした。
HP制作業者におだてられて不必要な物を売りつけられる事は良くある
- 起業したばかりで何も決まっておらず空っぽのHPになった:起業したばかりでサービス内容も定まっていなかったので、サービス情報や料金を掲載出来なかったようです。
- HPデザインをキレイに作ったら集客できるわけでは当然ない:HPをキレイに作れば、HPを見ても何のサービスをいくらで提供しているのかもわからないのに、不思議な力で問い合わせがたくさんくるかというと、そんな事はありえません。
- 自分でHPを運用できる小さなHPを作るべきだった:見込み客は、デザインなんか見ていないので安く小さく自分で内容を変更できるように作って、少しずつ自分でコンテンツを追加していけばよかったんです。
- おだてられて不必要なHPを売りつけられる事は良くある、ご注意を!:おだてられて不必要なHPを売りつけられる事はよくあります。ゴールはキレイなデザインのHPを作る事ではなく、集客すること。集客・営業するために何が必要なのかを冷静に考え業者の言うことを鵜呑みにしないようにしましょう。
HP運用の失敗
HP公開後の日々の運用こそ最も大切。が、まるで後尾後に賢者タイムになった雄ノラ犬のように、HP制作完了後、興味をなくしどこかに行ってしまいます。
運用? 何それ、HP公開後の月次運用の打ち合わせ、回を重ねる毎に参加者が減る
- HP制作ではあんなに熱くデザインについて議論したのに、HP公開後は興味を失ってしまう:HPが完成すると皆興味をなくし、HPの存在を忘れてしまいます。私は企業規模50〜500人ほどの会社を相手にHPのコンサルタントをしていました。HP制作の時はあんなに熱くなってデザインをどうするかの打ち合わせをしたというのに。
- そして誰もいなくなった、運用打ち合わせは偉い人から順に参加しなくなる:月次定例会議では、最初は大きな会議室で何名も参加しますが、まず社長が参加しなくなり、次に偉い人が参加しなくなり、最終的にはHP更新担当の方1名だけ。
- 運用で日々のデータが貯まるだけで、サイト改善は放置:運用の予算は考慮されておらず、サイトの改善提案をしても受けてもらえず、HP更新担当の方は権力がないので何のアクションをしても無駄になり、しばらくすると解約という哀しい結果になる所も多かったです。
上手にHPを活用できる企業は社長が違う、打ち合わせに参加しトップダウンで指示を出し成果が出る
一方、社長が率先して運用に力を入れる企業は強いです。社員の皆さんは「HP運用なんて俺の仕事じゃねぇ」と思っていますから、ボトムアップではなくトップダウンでないと回らないんです。
- イケてる社長はHP運用に力を入れる:コンサル経験上、成果が出ない会社と成果が出る会社では明確に2パターンに別れます。社長がHP運用の打ち合わせに参加し改善に積極的か否かです。成果を出す社長は改善提案は打ち合わせの場でジャッジし、誰が責任者でいつまでに実行するかをその場で決定、即実行。
- 会社をあげてコンテンツ制作に力を入れる:顧客の生の声を営業部隊が吸い上げて、それをHP更新部隊が反映させ、サイト改善。各部が持ち回りでブログを書きサイトのアクセスや見込み客を獲得する。イベントやセミナーを主催したら、どんな事をやったのかを会社のブログに書き、営業部隊に事例掲載OKな会社とアポを取ってもらいインタビューに行きHPに掲載。
- 部署を横断してHPを使った営業活動を推進:各部署で協力して無料ダウンロード資料を作成し、リード獲得を強化する。
- フリーランス・個人事業主も同じ、面倒な日々のHP運用なくして成果は出ません:中規模企業だけでの話ではなく、フリーランス・個人事業主も同じ。HPが完成したら「一仕事終わった」「これでおれも一国一城の主だ」と考えてしまいますが、営業活動のスタートにすぎないのです。何も終わっておらず、はじまりにすぎません。