
集客できないから私のHPをリニューアルしてかっこいいデザインにしたい!



HPをリニューアルしたが問い合わせが増えない。よく考えたら古いHPの文言をそのまま流用しデザインを新しく作り直しただけ、意味あった?



必要なのは段階に応じた適切な施策。HPで集客したいからデザインをリニューアルするというチンプンカンプンな事が横行しています。デザインを新しくしたところでSEOに強くなるわけでも、顧客に刺さる切り口が増えるわけでもありません。
HPで集客できないからリニューアルする。リニューアルするならデザインはかっこよくしたい。顧客視点でHPのセールストークを見直したり、アクセス解析のデータを分析するなんて面倒だし辛いからテンションも下がる。だからデザインリニューアルだけノリノリで実行。こんなケースが多くHPリニューアルはほとんど失敗しています。
Webサイトをリニューアルする場合、仮説検証せずに進める事は博打の様な物です。目的は何で、その目的を達成するためにはこんな手法がある、という所までは誰でもできます。でも、それが本当に有効か、仮説が正解かはわかりません。ターゲットユーザーが誰で、どんな言葉が刺さるのかも実際に検証してみないとなんとも言えないんです。ホームページをビジネスで有効活用したいのならサイトリニューアルを成功させるための小さなPDCAサイクルをリニューアル前のサイトで進めると良いです。
今回は、PDCAサイクルを回しつつデータを収集し、問い合わせが年間0件だったサイトをフルリニューアルし、月間100件の問い合わせ獲得を実現した事例についてお話しいたします。
ポイント
- 無意味にデザインをフルリニューアルするのではなく既存サイトの仮説検証からスタート。
- HPの状況をアクセス解析で見える化、SEO対策やサイト改善、広告運用などで既存サイトを活かしながら成果を出した。
- 既存サイトの弱点が明確になった段階でフルリニューアルを実施、結果月0件⇒100件まで問い合わせが増えた。
既存サイトを改善し、アクセス解析で数値を見える化、本質的な課題を解決するためにフルリニューアルした事例





1年にも及ぶプロジェクトでしたが、いきなりサイトをフルリニューアルすることはなく、少しづつ仮説検証を繰り返し大きな成果を出しました。
- 安易にHPリニューアルするのではなく、あなたのステージに応じた施策と効果検証が重要:「HPで集客できないのでリニューアルでデザインを刷新した、でも前と変化がない? いやむしろ悪くなった…」そういったケースが多発しています。必要なのは5つの階段の各ステージに応じた改善施策と効果検証。今回の事例で5つの階段を効果検証しながら進み、サイトのフルリニューアルで大きな成果を出した事例をご紹介します。
- WEBコンサルティングで階段を順番に上がる:アクセスがない(HPはあるのに)⇒CVがない(アクセスはあるのに)⇒成約がない(CVはあるのに)。
- HPはユーザーのために作られるべきなのに偉い人のために作られ、顧客不在に陥る問題:HPは名刺やパワーポイントで作る営業資料やカタログ・パンフレットと同じ営業ツール。集客に寄与しないと意味がありません。しかし、多くのHP制作では偉い人がかっこいいと思うデザインを作る事が目的になってしまいます。お客さんはHPのデザインにお金を払うわけではないので極論を言えばHPのデザインはどうでもいいんです。価格や買う事でどんなメリットがあるのか、実際に購入した人の生の声などが知りたいのです。そういった肝の部分はおろそかにされデザインだけが議論されるケースが多すぎます。まるで中学生男子が「前髪を切りすぎた学校行けない…」と悩み「お前の前髪なんか誰も見てねえよ」とつっこまれるように、顧客不在で本末転倒な事になるのです。
- 広告の検証や、デザインの検証などあらゆる事をことを検証:ホームページはデータが取れるので検証しながら作れば大きな成果が出ます。何人が申し込みに至ったのか、ページがちゃんと読まれたのか、前のデザインと今のデザインを比較するとどちらが良かったのか? などです。偉い人がかっこいいと思うデザインが至上とされていますが、本来HPはユーザーのために作られています。ユーザーの反応が最も良いデザイン、キャッチコピーや文章が何かはアクセス解析のデータや、改修実施前後のデータ変化を比較することで明確にできます。
- 目的を明確にする、リニューアルのための仮説を立てる、仮説を検証する:サイトリニューアルで成功するためには、リニューアル前の古いサイトを改善しつつ仮説検証や、リニューアルのためのデータを収集し、それらを使って失敗しないサイトリニューアルをすべき!と強く主張したいのです。



無料資料で、個人事業主やフリーランス向けに低コストで5つの階段を上っていった事例などを解説しています。
成功事例の解説
お客様の課題「10年間、社内で運用してきた古いサイトお問い合わせが全く無い、しかも何をしたらいいのかさっぱりわからない」
会社名 | B社 |
---|---|
社員数 | 約50人 |
サイト規模 | 旧サイト30ページ ⇒ 新サイト 50ページ×4サイト |
チーム編成 | WEBコンサルタント(私) / 先方:社長、副社長、デザイナー |
期間 | 1年 |
結果 | CV数:年間0→月間100件 |
担当業務 | サイト改善、クリエイティブ作成、企画、CMS構築(MT)、コーディング、リスティング運用、SEO、アクセス解析、改善提案、リニューアルのディレクション ※リニューアルサイトのデザイン以外全て |
コンサルティング前の課題
- サイトは10年近く運用していたが、問い合わせは年間0件だった
- SEOでヒットしなかった
- サイトは片手間に作り、継ぎ足し継ぎ足しでコンテンツを増やしていったため導線がぐちゃぐちゃ
- サイトはtableコーディングだった
- クライアント社内にウェブを活用する文化が無かった
【改善開始〜6ヵ月】はじめの半年間は、SEO、SEM、LPOで既存サイトを改善しつつ仮説検証のサイクルを回す
実施内容
- SEO対策
- リスティング運用
- LP作成
- LPOツール運用
- サイト改善
- アクセス解析・調査(自社・競合・ユーザーニーズ)
- 定例ミーティング(アクセス解析報告、SEO順位レポート報告、リスティング広告効果報告、改善提案)
実施内容の補足説明
- 最速で効果を出すために、広告とランディングページとLPOツールの運用を開始
- 広告とLPのABテストを実施
- どんな広告のクリック率が高いのか?どんなキーワードのCVRが高いか?日々検証
- 同時にLPを検証
- LPOツールを使って既存サイトの弱点をカバーしつつ、クリエイティブのABテストを実施
- 行動履歴に連動したLPO
- 入り口ページの改善や、コンテンツ力の弱さ、導線の分かりにくさをLPOツールでカバー
- 半年間のサイト改善フェイズでノウハウや知見を蓄積しリニューアルに活かす
- 調査を実施、主に競合調査を実施し、足りないコンテンツなどを探した
- 需要のあるキーワード
- どういったデザインや要素で構成されたクリエイティブの効果が高いかが検証によってわかった、そのノウハウをリニューアルでも活かした
仮説検証でわかった事
- tableコーディングだったのでSEOを強化しても劇的な効果が出なかった
- コンテンツが古い・弱い・魅力的な営業フックが無い
- 機能面の弱点:自社内でWebを運用できるようにしたいができない
- 効果の高いクリエイティブの傾向がわかった
- CVに貢献するキーワードと必要なページがわかった
【7〜12ヵ月】弱点を改善するためサイトのフルリニューアルを提案、サイト改善からフルリニューアルに方向転換する
実施内容
- より多くのCV獲得するために、サイトフルリニューアルに方向転換することを提案
- 段階的なリニューアルを進める
- 旧サイトからサービスごとに独立させた新サイトを段階的に公開していった
- 旧サイトから新サイトで公開されたコンテンツは301リダイレクトでSEOパワーを引き継いで移行
- 詳細ページこそが入り口ページになるので(哲学的ですね)、TOPページよりは詳細ページの優先度を高めて構成を考えた。離脱を防ぎCVRを高めるためにフックになるコンテンツへの導線を網羅して配置(サイトマップの順序も詳細ページから、デザインカンプもあえて詳細ページから作成。クライアントが気にして凝りたがるのはTOPページだが、TOPに時間をかけても意味が無いので詳細ページの優先度を意図的に上げた)
- 検討度合の低いユーザーでも問い合わせしやすいように、価格表や体験版DLなど魅力的な問い合わせ方法を複数設定し見込み顧客獲得力を強化
- 自社で更新ができるようにCMSを導入。ニュース、セミナー、導入事例をクライアントで自由に更新できるようにした。
- サービスごとにサイトを作ったので、拡張性や横展開を考えながらデザインを作成(ベースデザインは同じでテーマカラーが違う)
- SEO・リスティングで集客⇒詳細ページで逃がさず⇒営業フック⇒顧客情報獲得⇒メルマガ⇒セミナー⇒個別営業というウェブと営業を連携させた流れを設計して実施
リニューアルは大成功!驚異的な結果が出た
- CV数が、年間0件 → 月間100件以上にアップ!
- クライアント社内でサイトを運用できるようになった
- 想定KWで検索上位に表示
- ウェブと営業の連携がスムーズにいくようになった
なぜ成功したか?
- 偉い人がウェブ活用を押し進め、自ら積極的に関わったから
- 仮説検証を繰り返しながらリニューアルを実施したから
- サイトの最小単位はLP、LPで検証していけば成功の可能性が上がる
- 私が企画やサイト調査、集客、サイト制作、解析というWEBに関する全業務を一人で出来るから
- その結果、PDCAを高速で回せた
- 通常は広告担当やディレクター、デザイナーなど分業しており連携が難しいが(広告担当が作って欲しいクリエイティブをディレクターやデザイナーは知らない、逆にどんな意図や戦略でデザインを作ったかを広告担当は知らないなんてことがあります。)、全業務を一人で行ったので早い動きができた。
私が高いレベルのアウトプットを出して、それに対して先方の社長と副社長が常にミーティングに出席しすぐに返答をいただけたので、仮説検証のサイクルを高速で回す事ができました。PDCAを高速で回したからこそサイトのフルリニューアルへ方向転換もできました。その結果年間0件が月間100件に上がるという驚異的な数字がでました。
また、この事例の案件では段階的にリニューアルを進め公開するという手法を取っています。通常のリニューアルでは、要件を確定する→金額をきっちり決めて→制作進めるというように、全てを100%決めてからサイトリニューアルを進めることが一般的です。とはいえ、リニューアルのような大規模な案件で要件を確定させるという事は正直難しいです。
決めなくてはならない事が多すぎますし、決定権を持った方達の時間もそこまで無いのですから8割程度決めてから公開し、効果検証しながら変えていく方が効果は高いし早いです。
仮説検証しながら進めるという考え方がどれほど効果的かはご理解いただけたと思います。御社のWeb活用も仮説検証のサイクルを回しながら進める事で、今以上に効果が出るはずです。あなたなりの方法で実践してみてください。