PDCAでホームページを改善!リニューアルで驚異のCVRを達成した方法とは?

Webサイトをリニューアルする場合、仮説検証せずに進める事は博打の様な物です。目的は何で、その目的を達成するためにはこんな手法がある、という所までは誰でもできます。でも、それが本当に有効か、仮説が正解かはわかりません。ターゲットユーザーが誰で、どんな言葉が刺さるのかも実際に検証してみないとなんとも言えないんです。ホームページをビジネスで有効活用したいのならサイトリニューアルを成功させるための小さなPDCAサイクルをリニューアル前のサイトで進めると良いです。

今回は、PDCAサイクルを回しつつデータを収集し、問い合わせが年間0件だったサイトをフルリニューアルし、月間100件の問い合わせ獲得を実現した事例についてお話しいたします。

そもそもサイトリニューアルの目的があやふやなプロジェクトが多すぎる

ホームページは何のために誰のために作るのか?

よくある話ですが、サイトリニューアルの目的が、「ビジネスの成功」から何故か「発注者の偉い人が、かっこいいと思うデザインを作る事」にすり替わり(ターゲットユーザーがかっこいいと思うのではなく、決済権を持った偉い人がかっこいいと思うデザインという所がダメポイント)、サイトリニューアルに大失敗するという事があります。

▼2015年の夏頃に大炎上した件

参考 低レベルすぎるウェブ制作会社に注意!客の要求無視、逆ギレして成果物全部削除&連絡拒絶ビジネスジャーナル

記事に対する反応

要約:ホームページリニューアルを依頼したんだけど出来上がったデザインが酷かった、説明を求めるも逆ギレしてデータ削除して仕事をバックれた、ひどい奴らだムキー> <。ブラック企業アナリストが成敗してくれるぅ!

参考 ラック企業アナリスト・新田龍氏によるWeb制作会社叩きの記事に対するコメントBe a runner

要約:おれらはしっかり仕事してたし、なのにクレーム入りまくりで社員のメンタルぼろぼろだし、そもそも金払ってねーじゃん。なんだよカルマ精算コースって・・・。

参考 低レベルすぎるウェブ制作会社に注意!→しかしその真相は…NAVER まとめ

真相はわかりませんが、モンスタークライアントにWEB制作会社がふりまわされた話だったんじゃないでしょうか・・・。


ユーザーのために作っているのに、それを判断するのは別の人

上の件は、かっこいいデザインを作る事が最重要事項だったんですが、その「かっこいい」がターゲットユーザーにとっての「かっこいい」ではなく、発注者の偉い人に取っての「かっこいい」だった事だと思います。個人が思う「かっこいい」を実現することは非常に難しいですし、何よりプロのWEB制作会社はターゲットユーザーが思う「かっこいい」サイトを作るので、その偉い人が満足することは永遠にないんです。

▼例:女性向けデザインを作ったが、なぜか「経営側のオッサンが考える『若い女の子向け』デザイン(かなりダサい)」になってしまった件・・・

参考 脱ダサピンク宣言ーその1 by はるこなShortNote

この話なんかは象徴的で、ターゲットユーザーである女性に向けたデザインを作っていたのに、経営側のオッサンに向けたデザインになってしまったというよくある残念な話です。

私が大阪で働いていたときに、物凄く大きな会社がクライアントにいました。そこの社長さんから「Appleみたいなサイトデザインにしろ!」という大号令のもと、どんなサイトデザインにすべきかという不毛な打ち合わせに参加したことがあります。

「Appleとこの会社の顧客は全く違うのに、Appleみたいなデザインにすることに何の意味もないだろう」と、大阪城を見下ろせる大きなビルの会議室の中で半分居眠りをしながら思ったものです。大人数の会議でしたがみなさん同じことを考えていたんじゃないでしょうか。

こんな大きな会社でも、ビジネスの基本のキみたいな部分でトンチンカンな事をしそうになるんですね。

(結局、Appleみたいになりませんでした。私はそのお客さんのLPでデザインを検証してフラットデザインにけるやん!という結果が出たところで会社を辞めて大阪を去りました。最近そのサイトをみたら私がテストしていたときの雰囲気を取り入れたデザインになっていて、私が散々苦労したことも1mmくらいは意味があったのかと泣きそうになりました、ということはまた別のお話。)


目的があれば、個人の趣味趣向でプロジェクトが大失敗することを防げる

こういった個人の趣味趣向が目的になるとプロジェクトが炎上しがちですし、ビジネスの成功に何の関係もなくなります。

そもそもサイトリニューアルには高いお金と長い期間、関係する人間もたくさんおり、発注者も制作者も大変な思いをしながら仕事を進めます。

目標や目的があやふやで、サイトリニューアルという事と値段だけが、何故かカッチリきまっている場合にサイトリニューアルの失敗が起こりやすいと思います。サイトリニューアルに失敗すると投下したコストやリソースが全て無駄になります。なので、私は目標があやふやでサイトリニューアルと金額だけが決まっているという仕事の進め方が嫌いです。

ビジネスで達成すべき大目標があってWEBでは何をすべきか?という事をしっかり考えて、その大目標を実現するためにこういった施策が必要なんです!という進め方が好きです。


WEBは仮説検証が簡単にできる

ラジオスターを殺したビデオ(TV)スターは、なぜインターネットスターに殺されたのか?

かつてラジオがMTVなどに駆逐された悲哀をうたっているそうですが、2015年の現代ではTVをインターネットが駆逐しそうな勢いです。

参考 インターネット広告費がテレビ広告費を追い抜く日は近い!?-不動産業界でも高まる需要未来不動産研究所 参考 2020年にもネット広告費がテレビ広告費を抜く - 小原篤次朝日新聞社

TVに比べればネットは広告単価も安く、小さな会社や個人でも容易にネット広告を利用できます。敷居が低い事も要因としてはあるでしょうが、一番の要因はTVに広告を打つよりもネット広告のほうが効果が高いからなんでしょう。TVは誰が見ているかはっきりわかりません。たぶんこんな属性が見ているであろうという番組のCM枠にコマーシャルを流すので、そのCMがどれだけ効果があったかは正確には、わからないんでしょうね。

しかし、インターネット広告は「検索キーワード」に対して広告を出したり(悩みや困っていること、探している事に対してピンポイントの広告を出せる)、Facebook広告なら、「ある事に興味を持っている女性で25〜35歳で、名古屋に住んでいる人」に対して広告を出すなどピンポイントに狙い撃ちが可能です。

つまり、ネットの広告のほうが効果が高いし、数値ではっきり出るんです。TVはネットよりはるかにたくさんの人に広告を出せますが、ターゲットじゃない人に届けても意味がないんでしょうね。

だからそのうち、ネットがTVを駆逐するぞという事を皆が噂しているんです。


インターネットの仮説検証方法

ネットの仮説検証手法はいろいろありますが、A/Bテストが一般的です。(TVや新聞ではアンケートや電話での調査になるんでしょうか?)ページのデザインをAパターンとBパターンの2つを準備しておき、そのデザインをランダムに見せてどのパターンのほうが購入にいたった数が多いかなどを検証できます。数字でわりと正確な数が出てくるんです。

これはサイトのデザインだけではなくて、広告文や広告バナーでもA/Bテストは常に実施されています。こういったテストを駆使する事で仮説が本当に正しいのか間違っているのかを検証することができるんです。数値が出るなら、偉い人にも「あなたがかっこいいと思うデザインにするのは良くないと」理路整然と説得できます。


目的とそれを実現する仮説と、その仮説を実際に検証することが重要

サイトリニューアルで成功するためには、リニューアル前の古いサイトを改善しつつ仮説検証や、リニューアルのためのデータを収集し、それらを使って失敗しないサイトリニューアルをすべき!と強く主張したいのです。


事例概要

お客様の課題「10年間、社内で運用してきた古いサイトお問い合わせが全く無い、しかも何をしたらいいのかさっぱりわからない」

会社名 B社
社員数 約50人
サイト規模 旧サイト30ページ ⇒ 新サイト 50ページ×4サイト
チーム編成 WEBコンサルタント(私) / 先方:社長、副社長、デザイナー
期間 1年
結果 CV数:年間0→月間100件
担当業務 サイト改善、クリエイティブ作成、企画、CMS構築(MT)、コーディング、リスティング運用、SEO、アクセス解析、改善提案、リニューアルのディレクション ※リニューアルサイトのデザイン以外全て

コンサルティング前の課題

  • サイトは10年近く運用していたが、問い合わせは年間0件だった
  • SEOでヒットしなかった
  • サイトは片手間に作り、継ぎ足し継ぎ足しでコンテンツを増やしていったため導線がぐちゃぐちゃ
  • サイトはtableコーディングだった
  • クライアント社内にウェブを活用する文化が無かった

【改善開始〜6ヵ月】はじめの半年間は、SEO、SEM、LPOで既存サイトを改善しつつ仮説検証のサイクルを回す

実施内容

  • SEO対策
  • リスティング運用
  • LP作成
  • LPOツール運用
  • サイト改善
  • アクセス解析・調査(自社・競合・ユーザーニーズ)
  • 定例ミーティング(アクセス解析報告、SEO順位レポート報告、リスティング広告効果報告、改善提案)

実施内容の補足説明

  • 最速で効果を出すために、広告とランディングページとLPOツールの運用を開始
    • 広告とLPのABテストを実施
    • どんな広告のクリック率が高いのか?どんなキーワードのCVRが高いか?日々検証
    • 同時にLPを検証
  • LPOツールを使って既存サイトの弱点をカバーしつつ、クリエイティブのABテストを実施
    • 行動履歴に連動したLPO
    • 入り口ページの改善や、コンテンツ力の弱さ、導線の分かりにくさをLPOツールでカバー
  • 半年間のサイト改善フェイズでノウハウや知見を蓄積しリニューアルに活かす
    • 調査を実施、主に競合調査を実施し、足りないコンテンツなどを探した
    • 需要のあるキーワード
    • どういったデザインや要素で構成されたクリエイティブの効果が高いかが検証によってわかった、そのノウハウをリニューアルでも活かした

仮説検証でわかった事

  • tableコーディングだったのでSEOを強化しても劇的な効果が出なかった
  • コンテンツが古い・弱い・魅力的な営業フックが無い
  • 機能面の弱点:自社内でWebを運用できるようにしたいができない
  • 効果の高いクリエイティブの傾向がわかった
  • CVに貢献するキーワードと必要なページがわかった

【7〜12ヵ月】弱点を改善するためサイトのフルリニューアルを提案、サイト改善からフルリニューアルに方向転換する

実施内容

  • より多くのCV獲得するために、サイトフルリニューアルに方向転換することを提案
  • 段階的なリニューアルを進める
    • 旧サイトからサービスごとに独立させた新サイトを段階的に公開していった
    • 旧サイトから新サイトで公開されたコンテンツは301リダイレクトでSEOパワーを引き継いで移行
  • 詳細ページこそが入り口ページになるので(哲学的ですね)、TOPページよりは詳細ページの優先度を高めて構成を考えた。離脱を防ぎCVRを高めるためにフックになるコンテンツへの導線を網羅して配置(サイトマップの順序も詳細ページから、デザインカンプもあえて詳細ページから作成。クライアントが気にして凝りたがるのはTOPページだが、TOPに時間をかけても意味が無いので詳細ページの優先度を意図的に上げた)
  • 検討度合の低いユーザーでも問い合わせしやすいように、価格表や体験版DLなど魅力的な問い合わせ方法を複数設定し見込み顧客獲得力を強化
  • 自社で更新ができるようにCMSを導入。ニュース、セミナー、導入事例をクライアントで自由に更新できるようにした。
  • サービスごとにサイトを作ったので、拡張性や横展開を考えながらデザインを作成(ベースデザインは同じでテーマカラーが違う)
  • SEO・リスティングで集客⇒詳細ページで逃がさず⇒営業フック⇒顧客情報獲得⇒メルマガ⇒セミナー⇒個別営業というウェブと営業を連携させた流れを設計して実施

リニューアルは大成功!驚異的な結果が出た

  • CV数が、年間0件 → 月間100件以上にアップ!
  • クライアント社内でサイトを運用できるようになった
  • 想定KWで検索上位に表示
  • ウェブと営業の連携がスムーズにいくようになった

なぜ成功したか?

  • 偉い人がウェブ活用を押し進め、自ら積極的に関わったから
  • 仮説検証を繰り返しながらリニューアルを実施したから
    • サイトの最小単位はLP、LPで検証していけば成功の可能性が上がる
  • 私が企画やサイト調査、集客、サイト制作、解析というWEBに関する全業務を一人で出来るから
    • その結果、PDCAを高速で回せた
    • 通常は広告担当やディレクター、デザイナーなど分業しており連携が難しいが(広告担当が作って欲しいクリエイティブをディレクターやデザイナーは知らない、逆にどんな意図や戦略でデザインを作ったかを広告担当は知らないなんてことがあります。)、全業務を一人で行ったので早い動きができた。

私が高いレベルのアウトプットを出して、それに対して先方の社長と副社長が常にミーティングに出席しすぐに返答をいただけたので、仮説検証のサイクルを高速で回す事ができました。PDCAを高速で回したからこそサイトのフルリニューアルへ方向転換もできました。その結果年間0件が月間100件に上がるという驚異的な数字がでました。

また、この事例の案件では段階的にリニューアルを進め公開するという手法を取っています。通常のリニューアルでは、要件を確定する→金額をきっちり決めて→制作進めるというように、全てを100%決めてからサイトリニューアルを進めることが一般的です。とはいえ、リニューアルのような大規模な案件で要件を確定させるという事は正直難しいです。

決めなくてはならない事が多すぎますし、決定権を持った方達の時間もそこまで無いのですから8割程度決めてから公開し、効果検証しながら変えていく方が効果は高いし早いです。

仮説検証しながら進めるという考え方がどれほど効果的かはご理解いただけたと思います。御社のWeb活用も仮説検証のサイクルを回しながら進める事で、今以上に効果が出るはずです。あなたなりの方法で実践してみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA